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認知症の介護
(コミュニケーションのポイント)

私たちヘルパーが利用者様のお宅に訪問させて頂くと、ときどき認知症の利用者様とご家族様の間で、言い争いになっていることがあります。

ご家族様が、「また忘れちゃったの?まったくもう!!」というお気持ちになってしまうのは、たしかに良くわかります。

しかしながら、周囲の人がキツイ言葉をかけるほど、認知症のご本人様は「ここは居心地の悪い場所だ」と感じるようになり、その結果として徘徊(はいかい)をしてしまうなど、問題行動の原因となってしまいかねません。

そういった問題行動を予防するためにも、認知症の方とのコミュニケーションで、知っておいて頂きたいポイントをお伝えしたいと思います。

脳の特徴を理解する

これは認知症になった方に限ったことではないのですが、人は誰でもご高齢になりますと、脳の機能も低下していきます。

「物忘れが多くなる」といった記憶力の低下、「スマホの操作がわからない」といった理解力の低下などが代表的なものです。

ただし、「楽しい」「嬉しい」「悲しい」「悔しい」「腹が立つ」といった感情の部分については、高齢になっても脳はちゃんと機能するという特徴があります。

ここが、とっても大事なポイントです。

認知症になりますと、この傾向が極端に現れます。「いくら理屈で言われても、分からないものは分からない。覚えてないものは覚えてない。ただし、それを責められると、とっても腹が立つ。」という状況になりやすいのです。

「人から責められると、腹が立つ」という反応は、若いころと同じようにしっかりと脳が機能しているのですね。

これは人間の脳に共通する特徴ですので、まずはこの大原則を覚えておいてください。

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理屈より雰囲気が重要

「人から責められると、腹が立つ」といった感情は、認知症の方でも若い方と同じように機能するという点が理解できますと、次の事もご理解いただけると思います。

「人に褒められると、嬉しくなる」とか、「誰かに頼られると、誇らしく感じる」なども、正常に反応して頂けるわけです。

また、理論的な理解力は低下しますので、いくら理由を説明しても、それが伝わらないことが多くなります。

例えば、次のAさんとBさんでは、どちらが認知症の方と上手にコミュニケーションがとれるでしょうか?

・Aさん 認知症の方を心配して、眉間にシワを寄せながら理路整然とアドバイスし、間違ったことは強い口調で注意する。

・Bさん 認知症の方の話を笑いながら聞き流し、会話の内容が成立していなくても、とにかく楽しそうにしている。

そう、答えはBさんです。

このように、認知症の方に対しては、理路整然と説得しても効果は少ない場合が多いのです。そして重要なのは、「理屈」よりも「雰囲気」なのです。楽しそうにしていたり、穏やかに笑っていると、認知症の方も「理屈抜きに」心が落ち着くことが多いものです。

認知症の方の心が落ち着けば、問題行動も少なくなっていきますし、介護するご家族様の精神的な負担も大幅に軽減されます。

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ボジティブな言葉を使う

普段意識されない方も多いかもしれませんが、言葉には「ポジティブな言葉」と「ネガティブな言葉」があります。具体的には、次の通りです。

【ボジティブな言葉】

良い・楽しい・嬉しい・気持ちいい・きれい・すばらしい・ワクワクする・ありがとう・・・

【ネガティブな言葉】

悪い・つらい・つまらない・気持ち悪い・きたない・くだらない・イライラする・ヤダ・・・

出来るだけポジティブな言葉を使うようにすると、まず変わるのが、その言葉を使った人(=ご家族様など、介護する側)の表情です。これは「言葉の力」とでも言いましょうか、自然に明るい表情が出来るようになります。

そして認知症の方も、だんだんと表情が明るくなります。一つ目めの理由は、やはり「言葉の力」です。ポジティブな言葉をかけられると、その状況を頭にイメージしようとするため、気持ちが前向きになります。二つ目の理由は「ミラーリング効果」です。人間は目の前にいる人と同じような表情・動作を、無意識に真似しようとする本能がありますので、目の前に明るい表情の人がいると、自然と笑顔が浮かんできやすいものです。

なお、繰り返しになりますが、「どうして楽しかったのか?」などの理由の説明は、あまり重要ではありません。話の内容が矛盾していてもかまいませんので、とにかく「ポジティブな言葉」をたくさん使ってあげることが重要になります。もし、「さっきと話が違う」などと指摘されたら、「あ、そっか!」と言いながら、笑ってごまかすくらいがちょうどいいようです。

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目線を合わせる

高齢になるにしたがって、人間の視界は少しずつ狭くなっていきます。認知症が進行していくと、健康な人たちが思っている以上に、視界の中心のあたりしか見えていない場合が多いものです。

そこで、認知症の方とお話をするときは、出来るだけ相手の視界の中心に入るようにします。声をかける際も、横からいきなり肩をたたいたりすると、認知症の方をびっくりさせてしまうかもしれません。それが原因で、不機嫌になってしまうこともあります。まずは相手の視界の中心に入って、自分と目が合ってから声をかけるくらいのタイミングがちょうどいいと思います。

また、「目線を合わせる」と言いますが、相手の目の高さと、自分の目の高さを、同じくらいにすることも重要です。そうすることによって、いわいる「上から目線」ではなくなり、相手に威圧感をあたえてしまうこともなくなります。

ちょっと面倒くさいと感じるかもしれませんが、こういった小さいことの積み重ねが、とても重要になってくるのです。

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相手の認識を尊重する

ご家族様と認知症の方が言い争いになっている場合、「どちらが正しいか?」を、お互いに感情的に主張しているケースが多くみられます。

たしか某有名アニメに「真実はひとつ!」という決めセリフがありましたが、私は介護の現場では「真実は、それぞれの人ごとに違う!」と思うようにしています。

例えば認知症のタイプの一つに、「レビー小体型認知症」があります。この認知症の特徴の一つは「幻視」です。つまり、現実に存在しないものが、脳の誤作動でその人には見えてしまうのです。

実際に「レビー小体型認知症」の方お宅にお仕事で訪問すると、「そこに女の子がいるから、お菓子をあげてちょうだい。」と言われたりします。ヘルパーには見えないので、「えっ? どこですか??」とお聞きすると、「さっき台所のほうへ行ったわ」などとおっしゃったりします。

レビー小体型認知症についての知識が無いと、「幽霊が見えたのかしら?」などと怖くなってしまいますが、これはこの病気の特徴でして、よくある話です。しかも、どうやらご本人様には、かなりはっきりと見えるらしいのです。つまり、ご本人様にとっては、「女の子が見える」というのは、れっきとした真実なわけです。

それを、「そんなのは錯覚だ」と言って否定したり、言い争ったりする必要はないのです。「ああ、そうでしたか。私には見えませんでした。私も最近目が悪くなったからなぁ~。」と笑ってお答えし、お菓子を台所に置いてあげたりします。(仕事の帰り際に、さりげなく片付けます)

認知症に限らず高齢になりますと、いわいる「思い違い」をしている事がよくありますが、その人にとっては、それが真実なのです。「その人にはその人の認識があり、それが自分の認識と違っていても、相手の認識を否定しない」という姿勢が大事だと考えます。

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もしお困りなら

ヘルパーさんと事務所で話をしていて、よく聞く話があります。

「認知症の方の介護って、ご家族様は本当に大変よね。私たちは仕事でお伺いしているから、その時間だけ対応すればいいけど、ご家族様は24時間ずっと一緒でしょう?正直、私だったら耐えられないわ~」

これ、本音です。

介護のプロであるヘルパーでも、ご自分のご家族の介護を自分一人で抱え込むのは、「絶対ムリ!」だと言います。

そのためにあるのが、介護保険制度であり、私たちのお仕事です。

ご家族様には身内意識があるため、お互いに発言も遠慮がなくなり、言い争いになりがちですが、他人であるヘルパーのアドバイスには、案外素直に聞いて下さるというケースも多くみられます。

また、ヘルパーが来ている間に、少し息抜きも兼ねて買い物に出かけたりして、リフレッシュする時間も大切です。

介護保険では、デイサービス・ショートステイ・福祉用具なども、弊社の提供する訪問介護のサービスと組み合わせてお使いになることもできます。

介護はとても一人で抱え込んで出来るものではありません。介護のプロであるヘルパーでさえ、「そんなのムリ!」と言っているのが本音です。

是非とも介護保険制度を利用して、少しでもご家族様の介護のご負担を、軽減されることをおすすめします。

 

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